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ヤマハ音楽教室とJASRACの件
ちょっと前にヤマハ音楽教室はJASRACに著作権料を払うべきかどうかで裁判をしていました。そもそもこれは何を争っていたのか解説していきます。
「演奏権」にあたるかどうか、という事だった
JASRACに信託されている曲を人前で演奏して料金を徴収した場合はどんな曲を演奏したか等をリストにしてJASRACに申告、使用料の支払いというのが使う側の義務となっています。これは他人の曲で入場料儲けてそのまんまじゃダメという事です。目安として入場料3,000円、定員200名、10曲使用、公演時間90分で計算すると税込み26,400円を支払う事になります。ここからJASRACに15%程度入り残りが作家や出版社に分配されます。
講師の演奏が演奏権にあたるというJASRACの主張
音楽教室のレッスンなので演奏会じゃないでしょ?と思われる人が多いと思います。ところがJASRACの主張では複数人の前で講師が演奏している、というのが演奏権にあたるという事でした。入場料は毎月のレッスン代という事だと思われます。この演奏が全てクラシック曲、いわゆるPD(パブリックドメイン)曲であれば著作権が切れているので問題ありません。JASRACに登録されている曲を演奏したら払ってくださいという事です。先生が演奏しないで生徒だけ演奏していたとなるとこれもセーフかもしれません。果たして裁判の結果はどうだったのでしょうか?
JASRAC潜入部隊がいたのだった
実は実態を探るためにJASRACの社員(あるいはそれに近い人)が生徒としてレッスンに潜入していたんですね。そして動かぬ証拠を掴んだのでありました。ヤマハとなると規模も大きいのでJASRACもかなり本気で取り組んだ表れでしょう。こうして何度かの裁判を行い最高裁では講師の演奏には演奏権が及ぶが生徒の演奏には及ばないとの判決が出ました。
作家側からすればJASRACは大事な存在
こうした一連の件で内容をほとんど理解していない世論がJASRACを悪者扱いしたりカスラックなんて揶揄する輩がいたりもしました。物事の分別がつく人間であればそんな短絡的な考えにはならないだろうと、無責任な感情論の他ならない言動かと思います。ヤマハや他の音楽教室の関係者が言うならともかく・・・。
JASRACとNexToneに代表される著作権管理団体は作詞作曲家側からはとても頼りになる存在です。そもそも著作権法というのが存在する中で正当に徴収、分配しているわけでして。ちなみにあまり知られていませんが曲を登録する際に演奏権は外すなど細かい設定も可能となっています。権利の種類は他に広告、放送、録音、出版など10項目以上あります。
ゲーム主題歌などはカラオケだけ徴収という事にすれば事実上どこにも金銭的な負担がかからないなど応用次第でみんながハッピーになる仕組みもつくれるんですね。
今回の件はヤマハを始め音楽教室にはちょっと不安が残る結果だったかもしれません。とは言え生徒の演奏は問題ないとの事なのでその点は安心して進められると思うのですがいかがでしょうか?それとクラシックだけであれば何をやっても大丈夫です。
著作権料を徴収するのが怪しいとか悪のようなイメージを持たれる方も多いと思いますが音楽以外でも様々な権利というのは存在しています。ビジネスをやる上で権利というのは知らないでは済まないので・・・・少なくとも音楽で生活していく方々は著作権ビジネスというのを知っていると少しはいい事あると思います。
演奏家にはMPNなんて組織もあるのでまだ加入してない人にはオススメします。音楽家の味方になる法や組織は結構ありますので積極的に活用してください。弊社では出版社もやっておりますのでJASRACに楽曲登録したいという個人の作家の方はご相談ください。
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